妻の祖父が亡くなった話
仕事から帰ってきて、「祖父の熱が1週間続いていてそろそろヤバい」と聞いた次の日に亡くなった。
93歳。
会ったことがあるのは、施設に入る前の、たぶん2回。
そろそろヤバいと聞いた日に、会いに行かんくていいの?と聞いたが、別に良いと言った妻。
遠くの施設に入っているから父親に車出してもらわなアカンけど、その父親と祖父の仲が悪いらしい。
なぜそういった事になったのか聞いたが、壮絶で、触りだけで辞めた。
でも、出棺時には涙ぐんでいた妻。
良い思い出の話もしてくれた。
赤紙が届いたが、戦争が終わり出征しなかったとか、色んなことを覚えていた。
なので、別に会わなくて良いと言っていたことが、やるせない。
お通夜前日困ったことは、子供の服装。
2歳の娘には黒い服装がないということ。
あと、親戚があつまると同じ世代の子供が7人になり、すごく騒がしかった。
自分の知らない人、さらには死ぬということについてわかっていない子供にとって、静かにしとかなアカン葬式は退屈で仕方ないやろうけど。
びっくりしたのは、遺影がデジタルで、背景が変わる。
しかも、背景は縁もゆかりもない場所と聞いた時は、意外すぎて心の中で笑ってしまった。
満天の星空。海と夕焼け。
関係ないって、そりゃないやろ。関係あれよ。
義祖父の遺影をみて「死んだ子?」と、悪意のない語彙力を遺憾無く発揮させた長男が、今ソファから寝返りをうって転げ落ち、顔面を打ったが、まだ寝続けている。